旭山動物園

私が旭山動物園を知ったのは、まだ大学4年生の時。学芸員の資格を取るために、様々な授業を取っていたのですが、その中の一つに『視聴覚教育メディア論』というのがありました。いかに人に伝えたい事を的確に伝えるか、メディアを通して作り手の意図を探るという授業だった気がします。

授業であるCMを見ながら、人の視線は左から右に移りやすいから右にポイントを置いた映像にするとか、右から左に映像を写しているのは強い意志を表しているからだとか、映像を見ながら様々な事を教えてもらいました。結構楽しかったです。

その中に「旭山動物園」の紹介ビデオはありました。なぜ旭山動物園では入場者数が急激に増えたのかという番組だったと思います。美術館などと違って動物園は動くものが対象であるが故、動物を展示物、行動展示として捉えるという見解にうーんとうなってしまいました。飼育員の人も確か飼育員とは呼ばず展示系の名前で呼んでいた気がします。いかに動物本来の姿、動きを表現できるか、それによって今までにない新しい展示が生まれた事に私は驚きを隠せませんでした。そしてその結果が入場者数につながったのです。

そしてそれから1年後に私は旭山動物園の地を踏むことになったのです。どの動物もいきいきと生活し、テレビで見たそのままの動物たちがそこにいました。動物園なんて小さいころには沢山行ったけど、大人になるとあまり行かなくなってしまった場所だっただけに、感動もひとしおでした。

今日「奇跡の動物園2007 〜旭山動物園物語〜」を途中から見ました。また一つのドラマが旭山で起こり、また新たな1ページがめくられていました。私が行ったときにはなかった展示物が増えていて、また足を運びたくなってきました。

博物館の展示物は何百年前のものとかあるので失敗は許されないからかなり慎重な扱いをしています。温度湿度を管理され、常設展示は出来ないから、いくつかのサイクルでまわし、手袋をはめ、ライスペーパーで大事にくるまれています。動物は生きている展示だから、また目に見えるものが多すぎるから、そして寿命とかあるから・・・今のうちに沢山沢山出会っていきたいですね。

最近ちょっと感傷的になっている私です。。。