奇跡のリンゴ

「りんごの木は、りんごの木だけで生きている訳ではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間は、そのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。そして、いつの間にか自分が栽培している作物も、そういうもんだと思い込むようになったんだよな。農薬を使うことの一番の問題は、ほんとうは、そこのところにあるんだよ」

絶対不可能と呼ばれたリンゴ無農薬栽培に挑んだ木村秋則さんの記録。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演で結構有名になったそうで、両親も知ってましたが私は知りませんでした。

舞台は青森県弘前市。青森はりんごを全国の50%を生産していて、さらに弘前市は全国の約20%の生産率を誇っているらしいです。去年青森の八戸市に住んでましたが、東京や岩手を行ったり来たりしてたので、春のりんごの花も見れず、秋の収穫時期も見れず、時期外れのりんごだけを見てました。。。

りんごで生計を立てたい木村さんの話はほんと人生をかけた大勝負でした。他の野菜は無農薬で育てられるのに、りんごはなぜ無農薬で育てられないのか。りんご畑は農薬を毎年13回ほど散布するため、真っ白なりんご畑は見慣れた光景らしいです。農薬をかけなければ害虫が寄ってきたり、病気になったりとほんとに大変なりんご。撒く時期や、種類が複雑に絡み合い、気候や温度によっても微妙に異なる農薬散布。それを一切やめて取り組んだ木村さん。

30年りんご作りに取り組んでも30回しか取れない。一刻も早く無農薬栽培するために4つあった畑を徐々に無農薬栽培に変えていった。。。その年花が咲かなければその年の収穫は見込めないし、狂い咲きすれば来年の収穫は見込めない。害虫や病気に侵された畑。

どの農家よりも長い間りんご畑にいて、どの農家よりも丁寧にりんご畑を見ているのに、どんな手抜きをしている農家よりひどい有様。無農薬のために手で虫を一匹一匹とって、農薬に変わりそうなものを片っ端から散布して、家族を背負って、本当に苦労されながら育てたりんご。自殺をも考えてりんごと向き合ってきたその生涯に引き込まれていきました。

今いる山梨もそうですが、田畑水田が多い。東京から山梨に来る電車の中から見える水田や畑を見ると、今まで東京でスーパーとかいって買っている野菜とか米とか達はここから作られるんだなーと無性に感動します。結構広い面積の田畑や水田。これを年いったおじいちゃんおばあちゃんが毎日せっせと手入れして育ててるんですよね。

会社にも義姉が小さな畑を作って野菜や果物を作ってますが、それだけでも雑草抜いて、水撒いて、新しいの植えてって大変そうにしてます。それが義姉にとっては楽しいそうですが、私にはまだその楽しさはわかってません(笑)。それでもほんとに汗水たらして出来た野菜たちには小さくても愛着が湧くし、ほんと恵みだなって思います。

いつか木村さんのりんご畑を見に行きたいなー。そして木村さんのりんごを食べてみたい☆